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愛媛大学大学院理工学研究科 古環境(堀)研究室

最終更新:08.06.25

研究室紹介新着トピックス最近の論文

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研究室紹介

 地球表層の約7割を占める海洋の多くは数千m以下の深海である。その深海には海洋プランクトンの遺骸がマリンスノーとなって降り積もり、過去の地 球環境変動の記録を堆積物の中に保存している。そのような深海堆積物が地表に現れたもののひとつが、付加体中によくみられる層状チャートである。陸上に見 られる層状チャートは、現海洋底で失われたジュラ紀以前の記録を保持しているタイムカプセルともいえる。我々は、それら深海堆積物をもとに地球の古環境の 復元を目指し、微化石(プランクトンの遺骸が化石化したもの, 放散虫化石など)の解析や堆積物の化学組成分析を行っている。Rads1

 実際には、目的とする時代の層状チャートや微化石が産出する地層をまず探し出し(それには基本的な地質調査を行います)、 (1) 微化石の抽出による年代決定と高精度の時間軸の構築を行い、次に(2)海洋生物の絶滅・変動パターンの解析、(3)地球化学分析による海洋環境の推定、 (4)それらを統合しての、当時の地球環境ー海洋生物(特に有殻プランクトン)の応答システムの解明へと研究を進めていきます。我々の研究室では、中生代 の深海堆積物に記録された海洋無(貧)酸素イベント(OAE)や、三畳系/ジュラ系境界イベントの解明を、日本やニュージーランドのフィールド調査をベー スにすすめております。 

フィールド

カフィア海岸の三畳系/ジュラ系境界地層へのアプローチは、片道2時間半程オフロードを運転した後、急峻な崖を降りて調査する事が必要だ。            

                                

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新着トピックス

*世界最古のPhaeodaria 化石を発見!(08.03.投稿中)

Phaeodariaは、放散虫(Radiolaria)の一 グループとして分類されているPhaeodariaが、その特異な殻構造から、なかなか化石として地層中から産出しないとされていた。今までは、白亜紀のものが世界最古とされ ていた。堀らは、それらの記録をぬりかえる三畳紀新世のPhaeodaria化石を本邦から発見した(堀・山北, 2007: Hori, Yamakita and Dumitirica, 2008記載投稿中)。

*白亜系層状チャート中のOAE1aの記録

*三畳系/ジュラ系境界イベント

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最近の論文


The oceanica Parmian/Triassic boundary sequence at Arrow Rocks (Oruatemanu) Northland, New Zealand. K.B. Spörli, A. Takemura & R.S. Hori eds., GNS Science Monograph 24, 229p. ISSN 1177-2433/ISBN 0-478-09919-3

オルアテマヌアニュージーランドのオークランド大学および GNS Science(元NZ地質調査所)と、日本の研究者との10年を越える共同研究成果の一部。本モノグラフは、ニュージーランド北島のアローロックス島 (マオリ語ではオルアテマヌア島)で、我々の共同研究調査隊が発見した世界で唯一のP/T境界に頁岩を挟まない深海珪質岩の連続層序セクションの学際的研 究結果をまとめたものである。
!興味のある方は、ぜひご一読ください。カラーページ満載のモノグラフです。
ニュージーランドのGNS Sicence(http://www.gsnz.org.nz/)にお問い合わせください。

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