現在地球上には大きさも姿かたちも様々な哺乳類が大繁栄しています。 哺乳類がこのように大繁栄を始めたのは,今からおよそ 6600 万年前,新生代と呼ばれる時代に入ってからです (そのため新生代は「哺乳類の時代」と呼ばれることがあります)。 しかし哺乳類はその前の中生代と呼ばれる時代 (しばしば「恐竜の時代」とも呼ばれます) から地球上に存在していました。
哺乳類 (広義) が地球上に現れたのは中生代の後期三畳紀,今から 2 億年以上も昔で,恐竜が現れたのとほぼ同じ時期のことだと考えられています。 それ以来,新生代に入るまでの 1 億 5000 万年以上の間,哺乳類は恐竜とともに暮らしてきました。 これは哺乳類の 2 億 2000 万年間にわたる歴史のうち,実に 3 分の 2 以上の期間です。 この長い時間をかけて,哺乳類は着実に進化を続けていました。
中生代の哺乳類は一般に小さく (ネズミくらいからせいぜいイヌ程度の大きさ),同時代の恐竜のように大きさや姿をさまざまに進化させることこそありませんでしたが,中生代の間に哺乳類は,哺乳類だけにしかない,より高度な特徴を次々に獲得していったのです。 だからこそ恐竜が滅びた後に,哺乳類は恐竜にとってかわって大繁栄を始めることができたのでしょう。 中生代は哺乳類にとって,新生代を「哺乳類の時代」にするための,いわば「準備期間」だったのです。 したがって,中生代は私たち哺乳類にとって非常に重要な時期だったし,哺乳類の進化を考える上でとても興味深い時代なのです。
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