固体地球物理学概論 (2020年前学期) 第1講

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地球の重力、地球のかたち

重力とは (第7.1章)

重力とは、物体が地球から受ける力のこと。 右図 (教科書の図7.1と同じ) より、 \[ \text{重力} \vec{g} =\text{地球の質量による万有引力} \vec{f} +\text{地球の自転による遠心力} \vec{h} \] 力はベクトルなので、向きと大きさをもつことに注意せよ。 上の式の力の足し合わせも、ベクトルの足し算として行われている。

物体にはたらく重力は、その物体の質量に比例する。 単位質量あたりにはたらく重力を「重力加速度」という。 よく言われる重力加速度の大きさは\(g=9.8\) m/s2

以下では主に、質量 \(m\) の物体にはたらく重力を考える。

万有引力による寄与 (第7.1章、7.2章)

ニュートンの万有引力の法則 \[F=G\dfrac{Mm}{r^2}\] ただし \(G=6.67259\times10^{-11}\) m3/kg/s2 を万有引力定数という。

話を簡単にするため、地球を質量 \(M_e\)、半径 \(R_a\)の完全な球と仮定する。 しかも地球の内部での密度の分布は球対称 (中心からの距離 \(r\) だけで決まる) という理想的な場合を考える。 このとき、地球の中心から \(r\) の距離にある質量 \(m\) の物体が、地球から受ける万有引力 \(\vec{f}\) の大きさはいくらか?

  1. 地球の表面および外部 ( \({r}\ge{R_a}\) ) では、 \[ f(r)=G\frac{{M_e}m}{r^2} \tag{7.43} \] 地球の全質量が中心に集中したと思ったときに生じる万有引力と等しい。
  2. 地球の内部 ( \({r}<{R_a}\) ) では \[ f(r)=G\frac{{M_r}m}{r^2} \tag{7.42} \] ただし \(M_r\) は、地球の中心から半径 \(r\) の球の部分にある質量。 \(r\) より外側にある部分からの影響はない。

なぜこうなるかは、地球の内部を「薄っぺらい球殻」の積み重ねで考えると理解できる。

  1. 物体が球殻の外側にある場合 (図7.4)
    球殻上の点\(A\)にある部分が点\(B\)に及ぼす引力と、 点\(A'\)にある部分が点\(B\)に及ぼす引力とを足すと、地球の中心を向く力ができる。 これを球殻全体に広げて考えればよい。
  2. 物体が球殻の内側にある場合
    簡単のため球殻の中心 \(O\) について考えると、周囲から均等な引力を受けるから、球殻全体から受ける力の合計は0になる。 中心でない点でも同様に成り立つ。

個々の「薄っぺらい球殻」で成り立つから、これらを積み重ねた球全体でも成り立つ。

遠心力による寄与 (第7.1.2章)

等速円運動している質量\(m\)の物体にはたらく遠心力 \(\vec{h}\) の大きさは \[ h=mr\omega^2 \tag{7.12} \] で与えられる。 ただし \(r\) は回転半径、\(\omega\) は回転の角速度で、回転の周期 \(T\) を用いて \[ \omega=\frac{2\pi}{T} \tag{7.13} \] で与えられる。 地球が1日で自転することを考えれば、地球の自転による角速度は \[ \omega=\frac{2\pi}{60\times60\times24}=7.272\times10^{-5}\text{[rad/s]} \tag{7.17} \]

地球の自転による遠心力を考えると、 緯度が\(\phi\)の地点での回転半径 (自転軸からの距離) は\(r={R_a}\cos\phi\) だから、この地点にはたらく遠心力の大きさは \(h=m{R_a}\omega^2\cos\phi\)。 特に、遠心力のうち外側 (万有引力と反対の向き) にはたらく分力の大きさは \(h\cos\phi=m{R_a}\omega^2\cos^2\phi\) となる。

遠心力が最も強くはたらく赤道 (緯度 \(\phi=0\)) において、地球の万有引力と遠心力の比をとると、 \begin{equation} \frac{G\dfrac{M_e{m}}{{R_a}^2}}{m{R_a}\omega^2} =\frac{G\dfrac{M_e}{{R_a}^2}}{{R_a}\omega^2} =\frac{9.8\text{[m/s$^2$]}}{6.378\times10^6\text{[m]}\times(7.272\times10^{-5}\text{[rad/s]})^2} \simeq290 \tag{7.21} \end{equation} これより、遠心力の効果を考えただけで、地球の重力は緯度によって約 \(1/300=0.3\) % 変化することになる。

出席確認用コメント入力フォーム

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氏名
質問1地球の重力加速度は何ガルか。ただし1ガル = 0.01 m/s2であることを用いよ。
ガル
質問2地球の表面での重力は赤道と極でどちらが大きいか。またそう考えられる理由は何か。